都市探検家にしてツアーガイドのツァイ・インチョウと一緒に、シンガポールの多彩な都市風景を探訪する旅に出かけましょう。
1 ロロン・バチョクと ロロン24Aのショップハウス
建築を通して歴史を体感したいのなら、1日のスタートはロロン19とロロン・バチョクの交差点に建っている昔ながらのショップハウスで決まりです。「このショップハウスの外観は、時代を超えた魅力を持っています」とインチョウは語ります。「マドラス・チュナム(水、卵の殻、卵白、砂糖、大理石を混ぜ合わせた漆喰状の材料)で作られた装飾はとても美しいものです」
ロロン24A沿いに保存されている8軒のショップハウスは、これとは正反対の建物と言えます。地元の建築家7人の共同プロジェクトでデザインされたこれらのショップハウスは、ファサードは昔ながらの似通った外観ですが、内部はそれぞれユニークなしつらえになっています。「実際のところ、古いものをずっと元と同じ姿で保存していくのは不可能です」とインチョウは言います。「古い建物にも、新しい意味を与えていく必要があるのです」
2 ザ・パニック・ルーム
次の目的地、ザ・パニック・ルームは、インチョウにとって個人的な思い出のある場所です。インチョウはこの現代風の理髪店で、良い髪型に仕上げることの難しさを学びました。「ザ・パニック・ルームのオーナーはとってもいい人で、私たちに散髪の基本を教えてくれました」 インチョウが初めて取り組んだ社会的なプロジェクトも、散髪と関わりのあるものでした。「バックアレー・バーバーズ」と名付けられたこのプロジェクトは、シンガポールの移民労働者たちに無料で散髪サービスを提供する、という活動です。
3 翁展發
「(翁展發のオーナーの)ジェフとは、彼が犬の散歩をしているときに知り合って、仲良くなりました」とインチョウは言います。「翁展發は文化的な雑貨店で、伝統的な京劇の用具やコスチュームなどを販売しています」 京劇で使われるダオ(剣)など、ここでは中国文化の歴史に触れることのできる様々な文物を取り揃えています。
4 JBアーメン・キッチン
「JBアーメンは最高です」とインチョウは熱を込めて語ります。JBアーメンとは、ゲイラン・ロロン30にある人気のズーチャ専門店のことです(ズーチャとは、大人数で分け合うことを前提として作られる、中国家庭料理に影響を受けた料理のこと)。「ゲイラン・アドベンチャー」のツアーの一行がいつも立ち寄るこのレストランでは、ホワイトペッパークラブから塩漬け卵とエビの春巻まで、様々な地元料理が楽しめます。本格的なシンガポール料理を味わいたい人にはぴったりのお店です。