ハジ・レーン沿いのバーに集まる客

シンガポールで最も歴史の古い地区の部類に入るカンポン・グラムは、昔からの伝統と現代風のライフスタイルが融合した地区です。

「kampong(カンポン)」はマレー語で「村」を意味します。また、「gelam(グラム)」は「gelam」と呼ばれる葉の長いフトモモ科の樹木を指しています。シンガポールでは一般的な木で、地元ではこの木を利用してボートを作ったり、薬や料理の調味料として使ったりしていました。

この地区はシンガポールの植民地時代から続いています。当時スタンフォード・ラッフルズ卿によって、このエリアがマレー系、アラブ系、ブギス系のコミュニティに割り当てられたのが始まりです。それ以来この地区は情報通の旅行者や文化好きの人々が集まる場所へと進化してきました。

文化と伝統の世界
アラブ・ストリートで友達用のおみやげ探し

この歴史地区を訪れたら、威風堂々たるサルタン・モスクの黄金色のドームを目印に、人通りの多い通りやにぎやかな横道を散策しましょう。

1824年にサルタン・フセイン・シャーが建てたこの壮麗な礼拝堂は、シンガポール有数の重要な宗教建築です。モスクの敷地内の見学ツアーは、さまざまな言語で開催されています。

この地区の歴史をもっと深く掘り下げてみたいなら、マレー・ヘリテージ・センターを訪れてみましょう。マレーの伝統を受け継ぐこの施設は旧宮殿の敷地にあり、6つの常設展示室を備えています。さまざまな楽しい文化アクティビティも開催されています。船旅やマレーの伝統的な船の細部をちらっと見たり、印刷の中心地としてのカンポン・グラムの現状を知ったり、かつて王族が使っていた美しく保存された工芸品を鑑賞したりできます。

ストリートアートに興味がありインスピレーションを求めている方は、グラム・ギャラリーにも足を運んでみてはいかがでしょうか。シンガポール初の屋外ギャラリーには、シンガポール国内外のアーティストによるストリートアートや壁画アートの作品30点が展示されています。

王にふさわしいごちそう

この付近を散策すると、シンガポールの名物料理や世界各国の料理に出会うことができるので、新しい味への飽くなき欲求が満たされます。

伝統料理なら、ハジャ・マイムナーに立ち寄ってみましょう。ミシュランの「ビブ・グルマン」に選ばれたこのレストランは、「ナシ・パダン」(ご飯とさまざまなおかずの料理)の専門店です。「ロティ・プラタ」(南インドの平たいパン)や「ムルタバ」(肉と卵入りの鉄板で焼いた平たいパン)が名物のザム・ザム・シンガポールもおすすめです。

世界各国の料理を食べたい時は、ブッソーラ・ストリートの中東料理、ティポ・パスタ・バーのイタリア料理、フィーカ・サンドイッチ・カフェ&ビストロのボリュームのあるスウェーデン料理をお試しください。

充実したショッピング

カンポン・グラムはグルメ天国であるだけでなく、伝統職人や今トレンドのショップが集まる場所でもあります。

ハジ・レーンを訪れると、色とりどりのストリートアートやおしゃれなブティックの世界に没頭することができます。クラフト・アセンブリーのシンガポール風のユニークな小物、ヒュッゲのインテリア雑貨や優雅な服飾雑貨、シルバー・トライアングルの美しく作り上げられたジュエリーなどを見て回りましょう。

伝統的な品をお求めの方は、オーダーメイドの香水が手に入るシファー・アロマティクス、シルク、スカーフや織物を扱うモルカン・ファブリックス、あるいはクリス(波形の刃が特徴の伝統的な短剣)、プレート、ブローチなどの工芸品専門店マレー・アート・ギャラリーに立ち寄ってみてください。

日暮れ後の音楽と楽しい時間

買い物三昧を楽しんだ後は、夕方まで辺りをブラブラすることをおすすめします。ハジ・レーンには生演奏を楽しめるバーやおしゃれなレストランが建ち並び、日没後のカンポン・グラムはまた違った表情を見せ始めます。

シンガポール風のカクテルなら、アー・サム・コールド・ドリンク・ストールへどうぞ。ザ・シンガプーラ・クラブピエドラ・ネグラはどちらもおなかを空かせた旅行者に人気のディナースポットで、にぎやかな雰囲気の中でお酒を楽しみたい方におすすめです。