シンガポール切手博物館は、切手を通してシンガポールを知り、世界を知る「窓」。
郵便料金前払いという役割をもつ切手は、手紙を送る安価な手段であり、「マスコミュニケーション」手段の下地を作った、19世紀で最も重要な発明の一つといってもいいでしょう。この郵便切手という小さな紙切れは、一国の重要な出来事や歴史、文化を描いた細密画。昔日や日常生活の記録なのです。世界の歴史の中で、郵便切手は、人気の高い収集品の一つになりました。
シンガポール切手博物館は、シンガポール国内外の1830年代から現在までの郵便切手や関連資料を展示する博物館です。色とりどり、こじんまりした参加型展示で並んでいる細密画は、郵便切手という形で、歴史、文化、科学、技術という様々な側面からシンガポールや世界各地のことを教えてくれる「窓」です。
常設展では、世界初の切手や、1830年代から独立後までの初期シンガポールの最も包括的で質の高いコレクションも見学できます。注目の展示品は、海峡植民地で使用されていた1854年のインドの切手一式。知られている限り、フルセットで揃っているのは、世界で唯一この博物館だけです。
博物館の由緒あるコロニアル様式の建物の外に立っているのは、シンガポールで唯一現役の植民地時代の郵便ポスト。この博物館は、切手を購入し、手紙を投函できる郵便局の支局でもあるのです。博物館では、自分だけの切手を作ることもできます。
この機会に、ペンと便箋を手に取り、大切な方に手紙をしたためてみませんか。