シンガポールをはじめ世界中の仏教徒の大切な祝日、ベサク・デーは、釈迦の誕生、成道、入滅を記念する日であり、喜び、平和、そして沈思の日でもあります。
シンガポールのベサク・デーの祝祭は夜明け前に始まり、信心深い仏教徒が法要に参列するために各寺院に集まります。
仏旗が掲げられ、三宝を称えた仏教聖歌の合唱が行われます。三宝とは、仏(仏陀)、法(仏陀の教え)、僧(教団)の3つを指しています。
お供えと善行
この寺院には、花、ろうそく、線香などのお供えも捧げられます。ろうそくや線香は燃え尽き、花は枯れることから、これらを捧げるのは「人生ははかなく移ろい、万物はいずれ朽ちて死ぬ」ということを信者に説くためだとされています。
1日の残りは価値のある大義のために使われます。仏教徒はベサク・デーに善い行いをすると、通常の何倍もの徳を積むことができると信じているのです。
信者らは病院で集団献血を組織したり、お年寄りの家を訪ねたり、恵まれない人々に贈り物やお金を配る一方で、精進料理だけを口にします。また、仏教徒の自由の象徴として、籠の鳥や動物を放したり、何時間もマントラを詠唱する人もいます。
ろうそく行列
仏陀像には光が当てられ、通常は道を行進するろうそく行列で1日の幕を閉じます。
ブライト・ヒル・ロードのコンメンサン・ポーカークシー・モナストリーでは、このような行列を見ることができます。
ここで、信者は2時間にも及ぶ「三歩一拝」という礼拝方法を実践します。彼らは両膝をついて歩を進め、世界平和や個人的な願いを祈ったり、悔恨の念を抱えたりしながら、三歩進むごとに一礼します。