英国軍の旧兵舎が、アジアの新しいコンテンポラリー・アートスポットとして生まれ変わりました。
いにしえを伝える絵
その名を轟かせた英国軍将校、ウェブ・ギルマン将軍の名にちなんで名前の付けられたギルマン・バラックスが建設されたのは、1936年のこと。第二次大戦前に英国軍第1大隊のために特別に建てられもので、ここに、陸軍兵舎、家族宿舎、レクリエーション施設が置かれていました。
第二次世界大戦中、この兵舎や周辺のエリアはシンガポール陥落前の最後の戦闘地の1つでした。幸いなことに、1945年9月に英国の統治が再開された時にもこの建物は生き残りました。シンガポールが独立を果たした後も、ギルマン・バラックスは、徴兵訓練場というシンガポール軍の重要な場所として使用されていました。
修復を終えた2012年9月、ギルマン・バラックスは国際的なアートギャラリーなど、アート関連のテナントが集まる場所としてオープンしました。シンガポール現代アート界の発信地となったのです。
現代アートに触れる1日
ギルマン・バラックスで、世界中の傑作現代アートに浸って1日を過ごしませんか。市内中心部の喧騒から離れた場所に佇むギルマン・バラックスは、南国の静かな風景に囲まれたコロニアル様式の建物。現代アートと対峙し、インスピレーションをかきたてるひとときにはうってつけです。
サンダラム・タゴール・ギャラリー、ARNDTやミズマギャラリーなどの海外のギャラリーが、FOSTギャラリーやヤブツ・ギャラリーといったシンガポール国内発のギャラリーと軒を並べています。艾未未(Ai Wei Wei)、ギルバート&ジョージ(Gilbert & George)、インディーゲリラ(Indieguerillas)、草間彌生、ジェン・リー(Jane Lee)、セバスチャン・サルガド(Sebastiao Salgado)など、このギャラリーには、定評のあるアーティストや新人アーティストがずらりと華々しく名を連ねています。さまざまな展覧会が開催され、幅広い現代アート作品が展示されています。
展覧会、研修、調査という3つのプラットフォームをもつ南洋理工大学現代アートセンター(CCA: NTU Centre for Contemporary Art)も、見逃せないスポットです。講演会やシンガポール内外での実験的現代アートを後押しする同センターは、ギルマン・バラックス内にあります。ぜひ立ち寄ってみましょう。
ギャラリー巡りの合間に一服できるレストラン、カフェ、バーは敷地内に5つあり、さらに2軒オープンする予定です。 シンガポール屈指のシーフードレストラン「ザ・ネイキッド・フィン(The Naked Finn)」や、軽食やコーヒー、クラフトビールを楽しめる、気さくな雰囲気の「レッド・バロン(Red Baron)」がここに入っています。一日の終わりには、地元のミュージシャンが演奏するライブミュージックバー「ティンバー(Timbre)」のピザとカクテルで、穏やかな夕べを過ごしませんか。
金曜日の夜はアートなパーティ
風そよぐ晩に、ギルマン・バラックスで過ごす楽しいひととき。「アート・アフター・ダーク(Art After Dark)」という特別な催しが、2か月に一度、金曜日の晩に開催されます。
この催しでは、ギルマン・バラックスに入っているテナントが新しい展覧会を開始することもあれば、営業時間を延長することもあります。ほかにも、音楽の演奏やフード&ドリンクのポップアップなど、アート関連の催し物が行われます。南洋理工大学現代アートセンターでは、構内に居住するアーティストと協働する人物も招聘しています。
「アート・アフター・ダーク」には、文学、デザイン、音楽など、回ごとに異なるアート関連のテーマが冠され、シンガポールで開催される主だった文化的催し物やイベントと提携することもあります。「アート・アフター・ダーク」の最も重要な回は、毎年1月に開催されるシンガポール・アート・ウィーク期間中に開催されます。
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