秋の収穫シーズンの終わりを告げる中秋節は、伝統的には神に感謝を捧げるための期間でした。

また、この時期は1年で月が最も明るい時で、中秋節には月にまつわる伝説がつきものです。特に知られているのが、無慈悲な王の妻であった嫦娥(チャンアー)の物語です。彼女は夫の非道な支配から人々を救うために、彼が飲もうとしていた不死の霊薬を飲みました。

その勇敢な行為の後、彼女は月へと昇り、それ以来中国系の人々に「月の女神」として崇められていると物語では述べられています。

黄昏時
チャイナタウンにあるチャンアーのイルミネーションの画像。

中秋節は月を愛でるお祭りなので、本格的な祝祭は日没後に行われます。

このイベントの楽しみ方として人気があるのは、月見パーティーです。紙提灯の柔らかな灯りに包まれた庭に家族や友だちが集い、お茶を飲みながら月餅をつまんで、インスピレーションが高まった場合は、はるか昔の唐王朝時代の流儀で詩を書いて楽しみます。

きらめく提灯

ちょうちんを持ち歩けるので、この祭りは子供たちに人気です。ろうそくで灯す伝統的な灯籠は紙製で、自動車から漫画のキャラクターまで様々な形で作られます。時代を反映して、電池式のプラスチック提灯もあります。

シンガポールのお祭り会場の一部、特にチャイナタウンでは、本物の灯籠を実際に見ることができます。チャイナタウンには大きな美しい灯籠が展示され、その創造性、芸術性、伝統的な職人技に驚嘆することでしょう。 

月餅が主役

中秋節の目玉のひとつと言えば、月餅をおいてほかにありません。かつて、謀反を企てた反乱者たちは、この季節のお菓子の中にメッセージを隠してコミュニケーションを取り、元時代の中国をモンゴルの支配から解放したという言い伝えがあります。

今日では、蓮の実の餡と卵の黄身を使った伝統的な味のものから、チョコレートやシャンパントリュフなどのさまざまなフィリングを詰めたスノースキン・バージョン(焼いていないお餅のような生地のもの)まで、多彩な種類の月餅が作られています。月餅は、口の中をさっぱりさせてくれる強い中国茶との相性が抜群です。


2021年、中秋節が再開!

今年のフェスティバルでは、ご家族や大切な方たちがきっと喜ぶ好奇心をくすぐるプログラムがたくさん用意されています。9月7日から、900を超える提灯がチャイナタウンの通りを照らします。このライトアップは、1か月続く祝祭の始まりを知らせます。「伝統賛美」をテーマにした正式な開会式とライトアップは、ソーシャルメディアでライブ配信される予定です。

ご家族で楽しめる月餅づくりや、Keleと白新春茶庄(Pek Sin Choon)によるティーペアリング講座のオンラインワークショップ、提灯なぞなぞを開催します。また、月餅の入っていた箱をアップサイクルして再利用する方法も学べます。 

そのうえ、チャイナタウンの通りをバーチャル散策する360度バーチャルツアー、ボランティアガイドがチャイナタウンの文化や伝統について説明するヘリテージ・トレイルもあります。 

このほかにも色々とありますので、皆様どうぞお楽しみに。中秋節についてもっと詳しく知りたい方はhttps://www.chinatownfestivals.sgをご覧ください。

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